今回は「スタンフォード式 最高の睡眠」を読んで、子供の睡眠の質向上についえて考えてみました。
目次
「スタンフォード式 最高の睡眠」の概要
スタンフォード式 最高の睡眠(Amazon)
「スタンフォード式 最高の睡眠」は「究極の疲労回復」と「最強の覚醒」を実現する眠り方を記した本です。
スタンフォードの睡眠研究は、世界の睡眠医学をリードし、数多くの睡眠研究者を輩出しています。
そのトップを務める西野精治さんが書いた本で、スタンフォードの研究をエビデンスとして、主にビジネスマン向けに最高の眠りを得る方法を教えてくれます。
「スタンフォード式 最高の睡眠」から学んだ要点
まずは「スタンフォード式 最高の睡眠」から学んだ要点をおさらい。
「睡眠の質は、眠りはじめの90分で決まる」
西野精治さんが言うに「睡眠の質は、眠りはじめの90分で決まる」のだそうです。
「最初の90分」さえ質が良ければ、残りの睡眠も比例して良質になるのだ。逆に最初の睡眠でつまづいてしまうと、どれだけ長く寝ても自律神経は乱れ、日中の活動を支えるホルモンの分泌にも狂いが生じる
とのこと。
「最初の90分が大事」ということは、「スタンフォード式 最高の睡眠」の本の中でもキモの考え方です。
睡眠が持つ役割
「スタンフォード式 最高の睡眠」の筆者西野精治さんによると、睡眠が遂行しているミッションとしては5つあるそうです。
- 脳と体に「休息」与える
- 「記憶」を整理して定着させる
- 「ホルモンバランス」を調整する
- 「免疫力」を上げて病気を遠ざける
- 「脳の老廃物」をとる
睡眠自体がそういった大事な役割があるわけですが、西野精治さんが「黄金の90分」とおっしゃる「最初の90分」をいかに良質にするかで、睡眠全体のミッション遂行能力が断然変わるらしいのです。
「黄金の90分」のメリット
「黄金の90分」を大事にすることで、特に3つのメリットがあるそうです。
- 自律神経を整える
- グロースホルモンが分泌される
- 脳のコンディションが良くなる
自律神経を整える
人間は自律神経が乱れると色々不調をきたします。
「最初の90分をしっかり眠る」というのは、その自律神経を整える最高の方法だそうですよ。
グロースホルモンが分泌される
グロースホルモンは第1周期のノンレム睡眠時に際立って多く分泌されるそうです。
しかも、第1周期のノンレム睡眠時にグロースホルモンが分泌される割合は、1日の分泌量に対して70〜80パーセントにもなるとのこと。
いやー、そんなに集中しているのですね。
グロースホルモンに限っていえば、最初の90分さえよく眠れれば、1日の80パーセントをまかなえるってことすね。驚きです!
しかも、いつも寝ている時間に起きていると全く分泌されないそうなんです。
脳のコンディションが良くなる
さらに脳のコンディションが良くなるそうです。
寝ている間に、老廃物を取り除いたいり記憶をメンテしているわけで、一番大事な「最初の90分」を良質にすることで脳のコンディションも良くなるであろうというのが筆者の考えです。
「黄金の90分」に誘う「眠りスイッチ」
「黄金の90分」に誘う「眠りスイッチ」も紹介してくれています。
ぐっすり眠りに落ちるためのスイッチとしては、「体温」と「脳」がキーワード。
眠りスイッチ1「体温」
健康な人の場合、入眠前には手足が温かくなる。皮膚温度が上がって熱を放散し、深部体温(体の内部の体温)を下げている
のだそうで、この時の皮膚温度と深部温度の差は2度以下になるそう。
スムーズな入眠を促すためにはこの「皮膚温度と深部温度の差」を縮めることが大事なんだそうですよ。
眠りスイッチ2「脳」
脳が興奮していると体温も下がりにくいし、スムーズな入眠を阻害する要因になるとのこと。
だから、寝る前は脳を興奮させない状態が大事なんですね。
3つの「体温スイッチ」
スムーズな入眠を促すためには「皮膚温度と深部温度の差」を縮めることが大事。
そのことをより効果的に促すため方法として、「スタンフォード式 最高の睡眠」の中で、3つの「体温スイッチ」なるものを紹介してくれています。
体温スイッチ1:就寝90分前の入浴
皮膚温度と深部温度の差を縮めるためには、皮膚温度を上げて熱放散させることで、深部温度を下げる必要があるそうで、「入浴」はそのメカニズムを助長する最適な方法のようです。
入浴により意図的に皮膚温度を上げることで、入浴後、今度は深部温度が下がろうとするメカニズムが働くそう。
元の深部温度に戻るまでが大体90分。
その後はさらに下がろうとするんだそうです。
だから、”入眠90分前に入浴を済ませておけば、その後さらに深部温度が下がっていき、皮膚温度との差も縮まることでスムーズに入眠できる”ということ。
体温スイッチ2:時間がない時は「足湯」
時間がなくて、90分前に入浴を済ませられない場合、足湯でも効果があるそうです。
入浴は「深部温度を上げるアプローチ」で、「体温を大きく上げて大きく下げる」効果がある。
だけど、寝る前ギリギリの入浴は入眠までの間に体温が下がりきらないんだそうです。
いっぽう「足湯は」は「熱放散のアプローチ」で、「深部温度を下げる」のに貢献してくれる。
寝るまで時間がない場合は「深部温度を下げる」だけの効果がある足湯がいいそうですよ。
体温スイッチ3:体温効果を高める「室温コンディショニング」
入眠時の室温コンディショニングは、体温効果を高めるために大事なんだそう。
どんなに良い寝具を揃えても、室温を最適にしておかないと体温効果のメリットを十分引き出せないようです。
だから最初の90分だけでもエアコンなどで適温にしておくのは効果があるんだそうです。
そして、頭を冷やすのもいいそうですよ。
そういえば、我が家の子どもたち、冬でも枕タイプのアイスノン使いたがるのですがそれも効果的なのですね。
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エアコンもケチらず使うことにします!
2つの「脳のスイッチ」
次はスムーズな入眠を促す「脳のスイッチ」。
脳のスイッチ1:「モノトナス」の法則
脳は退屈すると眠くなるそうです。
「モノトナス」とは「単調な状態」のことで、要は退屈な状態。
眠る前にモノトナス(単調な状態)にすることは、良い睡眠にとってはいいこと。
脳のスイッチ2:羊の数え方は間違っている
日本では眠れない時、ヒツジの数を数えますね。
実は欧米から来た習慣だそうで、ちょっと違うのは「sheep,sheep」と繰り返すだけなのだそうです。
日本ではどう間違ったのか数を数えるよになってしまったのこと。。
数を数えることで脳が冴えてしまうそうなのです。
なので、子供が「眠れない!」なんていう時は、何も考えさせないよう「sheep,sheep」と唱えることを教えてあげましょう。
とにかく、寝る前には脳に刺激を与えないことが大事なのですね。
子供たちの睡眠の質を上げるためにできること
自分の睡眠改善のために読んだ「スタンフォードの最高の睡眠」。
読んでいるうちに、自分だけでなく、子供の良質な睡眠のためにも活かせる点があるのではないかと考え始めたわけです。
「スタンフォード式 最高の睡眠」から学んだ知識を生かし、子どもに良質な睡眠をとってもらうには何ができるでしょうか?
子どもの良質な睡眠のために
先に学んだことを整理してみると、
・寝る前に90分前にお風呂にいれる
・90分前に間に合わない時は、シャワー&足湯で済ませる。
・寝る前に室温を適度にしておく
・寝る前は、興奮させない
・子どもが寝つけない時は、何も考えさせないよう「しーぷ、しーぷ」を繰り返させる。
寝る直前は、興奮する遊び、刺激的なゲームやテレビ番組を避ける。
ルーティンなことをするといいそうです。刺激を避ける意味でも、絵本の読み聞かせなんかは最適かもしれませんね。
寝る前には布団でゴロゴロしながら、スローな感じで今日あったことなんかを話す時間にするのもいいかもしれません。
エアコンもケチらず、最初の90分は特に室温コンディショニングするのがいいですね。そして、頭を冷やすアイスノンも効果がありそう。
問題は、風呂に入るタイミング。
我が家の場合、兄妹で寝る時間も違うし、夕食の兼ね合いもあります。
ちょっと、我が家ベースで考えてみたいと思います。
タイムスケジュールを考えてみた
我が家の子供たちの就寝時間は
<就寝時間>
息子; 21:30
娘; 20:30
本当は30分くらい前倒ししたいくらいなんですけどね。
息子には「みんな10時まで起きている」といわれる、、、、
まあそれはいいとして、そこから逆算すると、
<入浴するリミット>
息子; 20:00
娘; 19:00
兄妹で入浴時間に一時間も差があるのはちょっと面倒臭いかも。
それにくわえ、「夕食は寝る前の3時間に食べなさい」とよく言われるから、その辺も加味しないといけません。
就寝時間から逆算した理想のスケジュールをそれぞれ出してみると、
<息子の最適なスケジュール>
食事; 17:30〜18:30の間
入浴; 18:30〜20:00の間
<娘の最適なスケジュール>
食事; 16:30〜17:30の間
入浴; 17:30〜19:00の間
娘に関しては驚愕の時間、ほぼ不可能。
息子も習い事なんかある日は厳しい時間。
もっと言うと、そんな時間にお膳立てするのが無理ですかね!
現実路線で考えていくと、
<兄妹の現実的なスケジュール>
食事; 18:00〜18:30の間
入浴; 18:30〜19:00の間
くらいが妥当なところでしょうか。
みなさんのお家ではどうですか?
さいごに
全て理想通りに行かせることは難しそうです。
この本自体、ビジネスマン向けの本なので、大人と子どものメカニズムの違いなどは考慮されていないこともあるかもしれません。
ですが、子供(&自分)の良質な睡眠について考える良いきっかけになりました。
「スタンフォード式 最高の睡眠」では上記の要点だけでなく、起きる時のコツなどもっとたくさんのことが書いてありました。気になる方は読んでみてください。
◇紹介した本はこちら↓
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