【絵本書評】どこいったん|こどもに読ませるか迷う本

絵本レビュー

「どこいったん」という絵本があります。

わりと人気の絵本なんですが、個人的にはこどもに読ませるか迷った本です。

そんな絵本「どこいったん」のレビュー記事です。



目次

絵本「どこいったん」の概要

内容は、クマがお気に入りの帽子を無くして、みんなに「どこいったん?」と聞いて探しまわるお話。帽子のありかを誰も知らないのですが、さいごにどこにあるのか気づき、衝撃のラストをむかえる本です。

もとは英語の本で、「I Want My Hat Back」と言いいます。

作者は、ジョン クラッセンというカナダ出身、アメリカ在住の方で、もとは長編アニメ映画、ミュージックビデオ、社説記事のイラストレーターとして活動していたそうです。

この前の作「Cats’ Night Out」でイラストを担当しており、ナダ総督文学賞を受賞し、「I Want My Hat Back」ではイラスト・文ともに自身で手がけています。

日本語訳は、長谷川義史さんという絵本作家さんが手がけています。

「うえへまいりまぁす」とか、面白い絵本を描いてます。

「どこいったん」は原作でも評価の高い本ですが、日本語訳本は関西弁で書かれており、訳の力も強い絵本になってます。

原作、日本語訳両方読むと面白いかもしれません。

MOEという絵本専門誌で受賞歴もある本です。

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とにかく、結末が衝撃的で話題になった本です。

絵本「どこいったん」の書評・口コミ

絵本「どこいったん」を実際に読んでみて感じたことや、おすすめするポイント、こどもに読ませるか迷った理由など、他の方の口コミを交えてお伝えします。

関西弁が妙にマッチ

絵本「どこいったん」はもともと英語の本を英訳した絵本です。

この絵本の結末がシュールで、ブラックユーモアに溢れているのですが、それに対してコテコテの関西弁が絶妙なコミカルさを与えていて、そのバランスがとても絶妙です!

ノリツッコミ的なストーリー展開であることも、関西弁とマッチする要因かもしれません。

これが、原文や標準語訳で読んだら、この雰囲気がどうなるのか、どう感じるのか気になるところです。

絵本の固定観念を超えていく結末がすごい

一般的な絵本の感覚で読み進めていくと、結末がとても予想外でびっくりします。

「えっ?えっ?」ってなります。

そして、先のページを行ったり来たりしちゃうんですよね。

それだけ予想を裏切る結末だし、その結末の解釈があっているのか気になって、何度もページを行ったり来たりしてしまいます。

これはある意味新感覚でしたよ。

結末をいうとネタバレになるので、ここでは避けますが、どうしても気になる人は、ネットで「どこいったん ネタバレ」とかで調べるとすぐわかります。

こどもに読ませるか迷ったわけ

「どこいったん」は、とにかく結末が衝撃的です。

衝撃的ゆえ、この結末には賛否両論あります。みなさんの口コミを見てみると、

関西弁のテンポのいい文章に心地よさを感じながら(間がいい)読み進めていき…ラスト「え?え〜〜!」と声に出して苦笑い。私は笑えたけども、2歳の我が子はどんな反応するか…と一瞬頭をよぎりました。

Amazon.co.jp:カスタマーレビュー: どこいったん

という意見もあれば、

まず、「翻訳を関西弁で」という発想が絵本界では珍しいと思います。
なのにこの絵柄と話の内容に、関西弁がすごくマッチしていてクセになります。
ブラックユーモアもいい具合に緩衝されているのではないでしょうか。大人にもオススメの絵本です。

Amazon.co.jp:カスタマーレビュー: どこいったん

とか、意見は様々です。

個人的には、やはり大人向けの絵本のような気がしています。結末がブラックユーモアたっぷりだからです。

ただ、結末はどうにでも捉えることができます。人によっては、もっとまろやかな結末を想像します。

他の方のレビューを読んでみると、大人は衝撃的な結末を想像しがち、子どもはもっとマイルドに考える傾向にあるようです。だから、結末は、読み手しだいとも言えます。

それを「ちょっと衝撃的だから」と大人目線で規制してしまうのもどうなのかな、と思ったりして。そんな感じで、こどもへの絵本としては、やはり、少し迷ってしまいます。

下記の訳者へのインタビューを読むと、実は、原作ではもっと限定的な結末とのこと。

『どこいったん』『ちがうねん』長谷川義史さんインタビュー(3/3) | 絵本ナビ

いずれにせよ、一度親が読んでみて、こどもに読ませるか判断してみてもいいと思います。

さいごに

とにかくラストが衝撃的です。

大人が読めば思考がグルグルして、絵本の固定観念をくつがえす感覚に陥ります。

絵や文体、衝撃的な展開なども含めて、絵本として秀逸なのですが、如何せん結末が賛否両論あるので、まずは親が読んでからこどもに勧めるか考えてみてもいいかもしれません。

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