中山 芳一さん著の「学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす」を読んで、子育てするパパママさんと共有したいと思ったことを、4つ焦点をあててお伝えします。
目次
今求めらている「非認知能力」ってなあに?
子どもを育てる上で「非認知能力」を伸ばすといいといわれます。
そもそも「非認知能力」って何でしょうか?
「非認知能力」とは、
他者とコミュニケーションをとり協調や協働をするための力、自分自身で自らを勇気づけて挑戦や努力をするための力、自分の感情をコントロールして我慢や持続をするための力
「学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす」より引用
のことを指します。
IQや知識量などは「認知能力」とよばれ、点数化・数値化しやすいですが、その反対に「非認知能力」は点数化・数値が難しいと言われています。
「非認知能力」を分解してみると、下記の能力に分けることができます。
<社会情動的スキル(≒非認知能力)>
- 目標を達成するための力:忍耐力、自己抑制、目標への情熱
- 他者と協働するための力:社交性、敬意、思いやり
- 情動を制御するための力:自尊心、楽観性、自信
※「学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす」には、「非認知能力」と「社会情動的スキル」というのは、言葉は違えどほぼ同等であるとの説明があります。
「社会情動的スキル」についてより詳しく知りたい方は、下記の経済協力開発機構(OECD)の資料「家庭、学校、地域社会における社会情動的スキルの育成」をご覧くださいね。
「非認知能力」の要素をみてみると、今も昔もより良く生きる上で重要な能力のように思います。
近年研究なども進み、よりその重要性が認識されていると言った感じですね。
子どもの発育段階を知っておくと良い
子どもの発育段階を知っておくと、その時に応じた成長のサポートができますね。
筋肉や骨格・体型などの体の発育に関していうと、生まれてから4歳くらいまでを第一次成長記、13歳くらいからを第二次成長記である、ということはご存知の方が多いかもしれませんね。
それに対して、神経系の発達は、生まれてから5歳頃までに成人の80%に成長、10歳頃までには成人の何と90%までに成長するそうです。
そのように発育すると言うことを念頭に置いておくと、子どもの発育段階に合わせたサポートができますよね。
運動ひとつ取っても、発育段階を知っていると、幼少期には筋肉を鍛えるより、脳の命令をどう体に伝えるかなとの神経系の発達が促されるようなことのほうが効果があると判断できますね。
また、小学3、4年の頃は、体は子どもなのに頭の中は急速に大人になりつつある時期です。俗に言う、ギャングエイジです。
これを知らないで、いつまでも子どもという感覚で接していると適切な対応ができなくなりますよね。
また、発育段階には、個人差もあることを理解しておかなければなりません。
非認知能力を伸ばす方法は?
子どもが非認知能力を伸ばすにはどうすればいいのでしょうか。
「学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす」から要点をまとめてみました。
体験を経験・学びに変える
子どもたちは、日々の体験から実に多くのことを学びます。
まず大事なこととして、”体験”を”経験”に、そして”学び”につなげることが大事だということです。
体験とは「そのときに個人が実際に身をもって取り組んだこと」、経験とは「体験が単なる体験に終わらず、その体験が自分の中へ内面化すること」であると筆者はいいます。
そのように”体験”と”経験”を区別した上で、下記のことを大事にすると良いそうです。
◇体験は量より質を高める
体験を経験に変えいくのには、GRIT(やり抜く力)は大事です。
結果だけでなくやり抜いた過程に価値を置いてフィードバックすると、子どもは体験を経験・学びに変えていきやすくなるそうです。
◇PDCAサイクルを回し、やりっぱなしにしない
子どもの成長においても、PDCAサイクルは大事です。
PDCAサイクルとは
PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-action cycle)は、生産技術における品質管理などの継続的改善手法。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。
PDCAサイクル – Wikipedia
ビジネスにおいてその重要性は叫ばれているとおりですが、PDCAは子どもが非認知能力を伸ばすときにも同じく重要のようです。
日常生活にこそ体験、経験、学びがある
◇日常生活の中にある体験を経験や学びに変える
筆者は、子どもが非認知能力を伸ばすためには、日常の体験も大事にすると良いと言います。
特別な体験には、日常では得られない経験・学びがあることは確かですが、日常にも子供が非認知能力をのばすチャンスは溢れているわけです。
むしろ、その事実を認識して、日常こそを大事にすることで多くの学びが得られるのではないでしょうか。
◇大人からの干渉なく自己解決できること
子どもが非認知能力をのばすには、親が提供するよりも、むしろ大人の干渉なく自己解決・自己決定できることが大事だと、筆者いいます。
大人の目から離れたところで自分のやりたいことに没頭し、自ら設定した目標に向かうことで「非認知能力」は育てられるわけです。
◇子供時代に遊びや好きなことに没頭することは大事
子ども時代の遊びや好きなことをする時間はとても大事です。
例えば、友達と遊ぶ中で、自分のやりたいことをやるために、他者と協働することを学び、そのやりたいことを達成すために忍耐力を学んだりするわけです。
◆合わせて読んでほしい記事>>>知っている父親は、子供をとことん遊ばせる4つの理由
量×質で振り替える
体験を経験・学びに変えていくのには、「振り返り」がとても大事なのだそうです。
「メタ認知」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
日々の振り返りは、メタ認知力を高めることができますが、「メタ認知」とは
「メタ認知」は成績向上にも効果があると言われているんですね。
日々の振り返りを通してメタ認知力が高まると、成績向上だけでなく、非認知能力の向上にも繋がります。
そして、日常の体験をより学びに変えていくために、「量」と「質」の両方を充実させて振り返りを習慣化することが大事なんだそうです。
非認知能力を育てるための親の関わり方
子どもの「非認知能力」を育てる上で、親はどのように子どもと関わっていくのが良いのでましょうか?
「学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす」の中では、下記のようなことに留意して関わっていくのが良いとしています。
- 子どもが自分自身と向き合える時間と環境を
- 子どもを一人の人格者として捉え、自ら選択や決定ができるための支援を
- 結果や才能、他者との比較ではなく、その子が取り組んできたプロセスに価値を
- 大人の固定的で一面的な捉え方ではなく、柔軟で多様な捉え方を
- 大人が積極的に楽しさとやさしさと悩ましさを
- 上から目線の「すごいね」「いけません」だけでなく、対等な「ありがとう」や「ごめんね」を
固定的観念で子どもの物事を見ずに、過干渉を避ける。そして、子ども自身が考え、自身と向きあえる環境を作ることが大事ですね。
さいごに
「非認知能力」についてシェアしてみました。
子どもの非認知能力を伸ばしてあげたいですね。
「非認知能力」について知りたい方は「学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす」を読んでみてください。
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