【育児書評】あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます

育児書評

「子どもを叱ってばかりいて疲れる」
「子育てでイライラする」
「こどものしつけ、ちゃんとできてるのかな」

子育てに正解はなく、迷いも多ですよね。

ちゃんとやろうと思えば思うほど、うまくいかないことにイライラしたり。

柴田 愛子さんの本「あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます」を読むと、私たち親は「ちゃんとやらなきゃ」に縛られすぎずに、「ありのままの子どもを受け入れる」と、「子供にもいいし、親にとっても豊かな子育てライフを送れる」のかなと感じます。

「あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます」は、幼児を持つ親、特に「お母さん」に向けて書かれた本ですが、父親も読んでみることで、いろいろ学べる部分が多いですよ。



目次

著者情報と本の概要

著者の柴田愛子さんは、「りんごの木りん子どもクラブ」の代表で、「子どもの心により添う保育」を掲げ、幼児保育をしていらっしゃいます。

長年保育の現場に携わっており、保育のプロです。そして、保育や子育てに関する本の執筆や、公演活動もされていらっしいます。

わたしは、柴田さんの公演を拝聴したことがありますが、とてもパワフルで、お話しも面白かったですよ。親、特に母親に寄り添う姿勢で、聞いているお母さんのなかには涙ぐむ方もたくさんいました。

そんな、柴田さんが書いた「あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます」は、柴田さんの子どもたち、親たちを長年みてきて得た「子育てのヒント」がたくさん散りばめられています。

「あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます」の書評

「あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます」を読んでとても考えさせられたのは、「もっと子どもを信じて、ゆったりと子育てしていいんじゃないか」ということ。

そう思った理由を、この本の気になったところを一部抜粋しながら、紹介していきます。

子どもの感性を信じてみる

柴田さんはこの本で、「子どもの感性を信じてみてはどうですか」と、問いかけます。

柴田さんは、ある公演で、お母さんたちに「あなたはどんなときに生き生きしていますか?」と聞いたそうです。

すると、「子どもを寝かせて、ビールを飲んでいるとき」「子どもを寝かせて、好きな洋裁をしているとき」など、「子どもを寝かせて、・・・」が多かったそうです。

「誰にも邪魔されず、自分が好きなことをしているときが、生き生きしている。」と、柴田さんはいいます。

これは、子どもも同じだということ。

そして、巻末の背表紙の裏にこんな言葉があります。

子どもは自分で育つ力を持っています。…つい先回りして手を差し伸べてしまうのは期待や願いがあるからこそ。親の勝手なおごりや願いが、子どもを潰してしまうことだってありえます

良かれと思ってあれこれ口出しすることは、逆効果になる可能性もあります。

それならば、いっそ子どもの感性を信じて、子どもの「好きなこと」を優先させてあげたり、「子どもの気持ち」を優先させてあげる努力をした方がいいのかもしれないよな、と思ったわけです。

そうはいっても、「最低限のしつけはしないとなあ」とか、完全に振り切れない部分もあると思います。

そんな疑問にも柴田さんは答えてくれています。

どうしてもしつけたいことは数少なく

出典:イラストAC(麦さん)

「しつけ」とは、「親として願っている子どもの姿」。

「子どもが大きくなって困らないように」とか、あるいは「人様に迷惑がかかるからやめるべき」とかで口うるさくなってしまう。

じゃあ、どうすればいいか?

柴田さんはこう言います。

「一生懸命言い続けると、できるようになる」ことは、ほんのわずかです。言い続けてもできないことなら、とりあえず、今はできないと、諦めることのほうが肝要かと、私は思っています。

(pp.47-48)

柴田さんのこんな意見に、「だけど、電車の中で騒いだりして、人に迷惑をかけても、諦めるべきか、、、」など悩むところもあります。

柴田さんがある公演で、下記のようなニュアンスのことをおっしゃっていました。(一語一句正確ではないので、あくまで私が感じたそのようなニュアンス、です)

「子どもにも育てやすい子、育てにくい子というのがいる。そういう子の場合、そういう子に当たったと思って諦めるのも手」「お母さんだけでは、どうしようもできない子もいる。嫌ならば周りの大人がその子に直接注意すればいい。」

これは、やはり手のかかる子どもは居て、そういった親は多少なりとも苦しんでいる。そのような親御さんを救うための言葉かな、と私は感じました。

そして、社会がもっと子育てに寛容な社会になればいいなと。2、3歳以下の子が、他人の気持ちを考えることなど、まだ無理のなのですから。

そして、こんなことも書かれています。

子どもが小さいときは、親のしつけは絶対です。できるかできないかは別問題として、それが正しいと思っています。ですから、あえて、どうしてもしつけたいことは、数少なく、意識的に、していったらどうでしょう。

(p.49)

「どうしてもしつけたいこと」が、その家庭の核となり、その家庭のカラーになるそうです。そして、カラーは各家庭で違ってくる。

そして、「子どもはありのままの親を引き受けるということは、子どもは良く親をみている。」とおっしゃっています。

しつけたいことは、まずは親が実践することが大事だということ。

そんな親をちゃんとみていると信じる。」と、柴田さんはおっしゃいます。

やはり「子どもに教えたいことは、親が実践」がまずは大事ということ。

子どもはありのままの親を引き受けいている

柴田さんは、「子どもたちはありのままの親を受け入れている」と言います。

例えば、柴田さんの「りんごの木」に通う子どもたちのなかに、「早くしなさい」と言われて幼稚園に来る子がたくさんいたそうです。「そんなとき、どうすればいいんだろうね」と問うと、

「ぼくさあ、もうすぐいちねんせいでしょ。そしたら、もうちょっと、がまんできるようになるかもしれない」「なみだがでちゃいそうになったら、うえをむくんだよ。くちをぱくぱくして、いっぱい、いきをするんだ」

(pp.5〜6)

など、いろいろな意見があったそうです。

そのときに、「子どもは誰も親を非難せずに、そのまんまの親を引き受け親に好かれたいと思っているのだと」と思ったそうです。

泣きそうになりました。

柴田さんはいいます。

子どもが、どうして親をそのまま引き受けられるかというと弱者だからです。親がどうしてあつかましいのかというと、子どもにとっては強者だからです。

考えてみれば当然です。幼い子は一人では生きていけませんから。

そんな立場を利用して、命令口調で物事を片付けてしまう親にはなりたくないなあ、と思ったわけです。

だから、子どもを信じて待ってみたいな、と。

さいごに

この本を読んで、もっと子どもの感性を信じてみようと思いました。

しつけも、多くを言えば子どもが萎縮するし、ただ命令に従っているだけで対して意味をなしていないかもしれません。

それならば、言葉を絞って、まずは親が実践!

そのほうが子も親もゆったりとして、良い結果が生まれるんじゃないかなと。

そんなことを改めて思った本でした。

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